「熱り立つ」は“いきりたつ”!誤読ゼロの使い分け図鑑

この記事の要点
- 「熱り立つ」は正しくは“いきりたつ”と読む(“ねつりたつ”“あつりたつ”は誤り)
- 語源は古語「熱る(いきる)」=感情が高ぶる。“心の熱”を表す語群
- 派生の「ほとぼり(熱り)」=興奮の余熱/「紅潮」「たぎる」との違いも解説
- 英語表現は文脈でflush/blush/overheatを使い分け
原稿で「熱り立つ」の読みと使い分けに迷っています。どこまでが“怒り”、どこからが“身体反応”ですか?
結論から言うと、「熱り立つ」は心の熱=感情の高ぶり。身体の変化は「紅潮する」「火照る」と切り分けると自然です。
ハピゴラ1979「熱り立つ(いきりたつ)」――読めそうで読めない代表格です。SNSでも「ねつりたつ/あつりたつ」と誤記が散見されます。この記事では、まず正しい読みを提示し、次に理由(語源・歴史)、そして例(現代文・古典・英訳)を用いて、最後にもう一度要点を再確認する構成(PREP法)で、誤読ゼロの理解を目指します。
「熱る」から派生した言葉たち|“心の熱”をめぐる語群
「熱り立つ」=いきりたつ(感情が高ぶる)
「熱り立つ」は怒り・興奮などで心が熱くなること。現代語でいえば“ヒートアップ”。単なる「怒る」ではなく、自分の正義感や情熱が燃え上がるニュアンスが含まれます。
- 例:議論が白熱し、彼はついに熱り立った。
- 例:彼女の言葉に胸が熱り立ち、思わず言い返した。
読みの「いきり」は古語動詞「熱る(いきる)」由来。平安期から感情の昂りを表す語として使われてきました。
「ほとぼり(熱り)」=興奮の余熱
「ほとぼり」は熱り立った後に残る“余熱”。ニュースや会話で今でも頻出します。
- 例:事件のほとぼりが冷めるまで静かにしていよう。
- 例:別れのあとも、胸のほとぼりが収まらない。
語源と歴史|古典での「熱る」の用例
平安期の記録(枕草子・源氏物語など)
古典では「熱る(いきる)」が“感情が高ぶる”の意で用いられました。恋・怒り・嫉妬といった人の情の温度を描く語です。
心熱りて涙溢る(意訳:心が熱り、涙がこぼれるほどだった)
※出典の書誌情報は各版の注釈書に従って明記してください。
「熱る」の変遷図(古語→現代語)
| 時代 | 形 | 意味 |
|---|---|---|
| 平安期 | 熱る(いきる) | 感情が高ぶる/興奮する |
| 江戸期 | 熱り立つ(いきりたつ) | 高ぶりが表面化・爆発する |
| 現代 | ほとぼり(熱り) | 興奮の余熱が冷める過程 |
似た意味の語との違い|「紅潮」「たぎる」「火照る」
使い分けの軸は中心が“感情”か“身体反応”かです。
| 表現 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 熱り立つ | 感情が高ぶる | 内面の熱が外へ溢れる(心情描写) |
| たぎる | 沸き立つほど激しくなる | 熱量が極端に上昇(勢い・迫力) |
| 紅潮する | 顔が赤くなる | 恥ずかしさ・緊張の身体反応 |
| 火照る | 体が熱を帯びる | 生理的・環境的要因(サウナ・運動後等) |
プロの使い分けヒント
- 物語描写:心情=熱り立つ|身体=紅潮・火照る
- 見出し語で迷ったら「感情か身体か」を先に決める
英語での言い分け|flush/blush/overheat
文脈別の最適訳
| 状況 | 推奨表現 | 例 |
|---|---|---|
| 怒り・興奮 | flush | He flushed with anger.(怒りで顔が熱った) |
| 恥ずかしさ・恋 | blush | Her cheeks blushed softly.(頬がほんのり熱った) |
| 環境・物理 | overheat | The room overheated quickly.(部屋がすぐ熱を帯びた) |
文学訳では「his heart was burning(胸が燃える)」など比喩的表現で心の熱を補います。
よくある誤読と対策|“ねつ/あつ”の罠を外す
- 誤り:ねつりたつ/あつりたつ → 正:いきりたつ
- 語源を覚える:古語「熱る(いきる)」=感情が高ぶる
- 判断基準:「感情中心なら“熱り立つ”、身体なら“紅潮・火照る”」
読み間違いチェックリスト
- 文は心の話か?それとも体の話か?
- 心なら→「熱り立つ/いきりたつ」
- 体なら→「紅潮する/火照る」
FAQ|「熱る(いきる)」「熱り立つ」の素朴な疑問
まとめ|“心の熱”を言葉で描けるようになる



「熱り立つ(いきりたつ)」は、怒りや情熱が心から立ち上る瞬間を捉える言葉です。語源の「熱る(いきる)」を知れば、似語との線引きも明快。次に文章を書くときは、心=熱り立つ/体=紅潮・火照るで迷いなく表現しましょう。
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